名前変えました!!
ー2話ー
「でさ、雨音くん死んじゃったらしいよ」
「嘘、ショック〜!ウチ狙ってたんだけどな」
教室では、そんな声が飛び交っていた。
どこもかしこも、奏の話でもちきりなのだ。
「…何も知らないくせに」
私はそう呟くと、拳を強く握った。
だがそこで、ふと我に返った。
…私、何言ってんの。
奏の事、殺したのは私じゃないか…!
「ねぇ」
そうこうしていると、後ろから声がした。
…いや、でも私に掛けているんじゃない。
大方後ろの席の、小美へのものだ。
小美、人気者だか_
「ねぇ、如月さん」
その声に、私は反射的に振り返った。
小美と私の話になっただけかと思い目をやっても、小美の机には誰も座っていない。
…まだ来ていないのだ。
と、いう事はさっきの声は私へのものになる。
「…何?」
そこに立っていたのは、学校一の美少女として全校生から親しまれている、白滝さんだった。
同じクラスとはいえ話した事もないが、何か用があるのだろうか。
「如月さん、萌と友達になろうよ」
「…はい?」
何を言い出すかと思うと、白滝さんはそんな言葉を口に出した。
「………」
「ダメ、かな」
返事に困っていると、白滝さんが悲しそうに目を伏せた。
「…何で?」
私は白滝さんを見上げて、少しだけ睨みを利かせた。
なんだか、嫌な予感がしたから。
「だって…如月さんって名前も顔もすっごく可愛いんだもん!それに萌、雨音くんの事好きだったから気合うかなぁって」
白滝さんは目を輝かせてそう言った。
「…ごめん。友達には、なれない」
その刹那、白滝さんの表情が凍り付いた。
「…本当ごめんね」
私はそう言うと、鞄を机に置いて席を外した。
明日から、地獄の日々が始まるとも知らずに。