>>6 も見てね〜。
一章(的な?)
キーンコーンカーンコーン!
学校全体にチャイムの音が響く。
俺を含めた男子数人は思わず喜びの声を漏らした。
「ありがとーございましたー!」
クラス全員の大きな挨拶。
次が給食ということもあり、俺は走って家庭科室を後にした。
「こら!廊下は歩きなさい!」
「危ないでしょ!歩きなさい!」
先生からの注意。確かに危ない。
直斗「んなもん慣れっこだっ!」
だが、それを止めることもなく俺は呟きながら走り続ける。
教室の札が見える。俺は足の向きを即座に変え、扉を開け滑り込む。教室には誰もいない。
「俺が一番乗りだ!」
俺はしばらく謎の達成感に浸り、席につく。そして一冊の本を取り出そうとしたその時。
魅華「樋口っ!パス!」
直斗「え!?あっ!おう!」
とっさに手が出る。何とか落とさずキャッチ。手に掴んだ物を確認する。さっきの授業で使った裁縫セットだ。
直斗「なんでこれを俺に?」
魅華「ロッカーに入れといて〜♪」
直斗「何で俺が女子…お前のを入れないと行けないんだ?」
魅華「後ろ!私のロッカーあるでしょ?アンタ近いから入れといてよ。」
直斗「あい、あい。」
訳わからん返事をして魅華のロッカーに裁縫セットを入れる。
直斗「ちぇっ…せっかくの一番だってのにこれじゃ気分はガタ落ちだぜ…」
ため息をつきながら机から本を取り出す。
「やっぱこれこれ!反逆シリーズ!チョーおもしれーんだよなー!」
なんて叫んだ後ふと扉を見ると、教室に女子二人の姿が見えた。
この後、俺を大きく変える出来事が起こるのを、その時の俺は夢にも思わなかった…