ー…これは、ある夏の物語。
私は仲川実子(なかがわみこ)。私には私とは正反対の大親友がいる。それがー…
「実子…。」
哀祢佳音(あいねかのん)。おっちょこちょいで成績があまりよくない私と違って、成績でいうと、学年トップクラス。冷静で美人。
「何?佳音。」
「あのさ…明日から夏休みじゃん?
それで、26日に秋名神社(しゅうなじんじゃ)で夏祭りあるじゃん。」
「?うん。」
「一緒に行かない?」
「!行く行く!!」
「そ。良かった。じゃ、26日。」
「うん!」
ーそして、待ちに待った夏祭りの日。
「あれー?佳音なんで来ないんだろう?」
ピリリリリ!
「うわっ!!」
急に携帯が鳴った。佳音の携帯からだ。
「…?どうしたんだろう。」
「……実子?」
「佳音!どうしたの?」
「実は…行けなくなっちゃって…。」
「…!な、何で?」
「…………。」
プツッ…ン…ツー…ツー…ツー…。
「切れちゃった…私が深く聞いたのが…駄目だったのかな。」
翌日。 ピンポーン……。
インターホンを押した家は、佳音の家。佳音はそこそこのお金持ちで家も豪華。
「………っはーい。」
「あっ!仲川実子です!あのっ、佳音……ちゃん!居ますか?」
「………………。」
「………?」
切れちゃったかな?
ガチャ。
「!!佳……音…?」
いくら冷静な佳音でも、この表情は暗すぎる。何かあったんだろうか。
「実子…実は………。」
〜続く〜