私は、私が誰だかわからない。
目を開けると、白い天井。
病院らしかった。
え……私、怪我なんてしたっけ……??
寝る前の記憶を呼び戻すと、1人の男の子がいた。
何かを、叫んでいた━━━━━━━━……。
なんだろう……。
しばらく考えていると、ベットに見知らぬ男女が近づいてきた。
誰?医者かな……。
怪訝そうに見つめる私を見て、その2人は泣き出した。
あっ、目線キツかったかな。
そう思って、あの……と話しかける。
「ごめんなさい、睨んじゃって。お医者さんですか……?」
そう言った途端、女の人がその場に座り込んだ。
「氣晴、お母さんの事、分からないの?」
見知らぬ【氣晴】という名前に、私はん?と首をかしげる。
氣晴?だって私の名前は……、名前は……
なに━━━━━━━━……?