>>10
恐縮です(ー△ー☆)\
では、続きに〜……
〜興味〜
……パシンッ!!!
危機を感じた。私の初めてを奪われそうだという危機を…
部屋に鋭い音が響いたと思ったら、男の頬には赤い手形が付けられていた。
「痛いじゃないか、何てことを…」
「女性の尊厳を守るための正当防衛です!」
男は、私のはっきりとした意思が伝わったのか、残念そうに近づけた顔を引っ込めた。
「残念だよ、私の挑発に抵抗したのは君が初めてだ…あーあ、こんなに目立つ傷をつけてしまったな…」
ため息をつきながら鏡を見て頬を擦る男は言う。
「……君はどこから来たんだい?なぜこの部屋に入っている?」
「私は日本から来ました、21世紀から来ました。この部屋にいる理由はわかりません!」
「おやおや、遠いところからわざわざ足を運びましたね……ん?21世紀?今は19世紀だが…変なことを言う人だな…」
「私にもさっぱりです!」
男は何かを考え込むように歩き回る。
「なるほど…きっと記憶喪失でしょう。しばらく私の家にいなさい。ちょうど一人きりで寂しかったところなのだ」
「女の人をとっかえひっかえにしてるのに?もしかして、私はその女の一人?」
…男は、否定の意味を表すように人差し指を右左に動かす。
「私は子供に手を出したりしませんよ。『黄色い白ウサギ』さん」
「……あ、お世話になります…」
『黄色い白ウサギ』……?
黄色……日本人…黄色人種…?
差別用語じゃないか!?
「失礼な呼び方をしないでください!そんな呼び方をするなら、『白く細い子豚』って呼びますよ!」
「おやおや、『白いペンキを塗り忘れた黄色いウサギ』と呼ばれるよりは幾分もいいでしょうに……」
どっちの呼び方にもムカついた私は思わず叫んでしまった。
「名前ぐらいありますよ!私はハクア!『宇治卯白亜(うじうさハクア)』です!」
「………」
男が踵(きびす)を返して速足で近づいてくる。
そして私の顎を乱暴に掴み、自分の唇を私の唇に付けてきた。
今回はゆっくりとした動きではなかったため、抵抗も何もできなかった。
「…私はリスト、『フランツ=リスト』と申します。明日、再びピアノを聴かせてください。楽しみにしてますよ?
ハ ク ア さ ん」
嘲笑うように「フフッ」と鼻を鳴らして部屋から出ようとする……
「ついて来なさい、何か食べないと倒れてしまいますよ?」
………ああ、お腹空いてたんだっけな…