君の隣にいるから。

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1:匿名:2016/11/22(火) 22:17

僕はどちらかと言うと春が好きだ。
誕生日あるし、新学期だし、何かとワクワクする季節だから。
でも。今僕は夏が好きになりそうだ。

ミーンミーン、と蝉が鳴いている。

ずいぶんとうるさくて、耳を塞ぎたくなる。

ただでさえ、白丘寺からの坂道はキツいのに。

もう6年も登り続けている坂をぜぇぜぇと歩きながら、僕___宇野宮 蓮(ウノミヤ レン)___は考える。

ぴらり、と電柱のポスターが揺れる。
見てみると『白丘夏祭り』開催のお知らせが貼ってあった。

夏祭りかぁ。今年は誰と行こう。一樹とでも行こうか。でも人前であの中二病出されたら敵わないしなぁ、と脳内で一人考え込む。
陽介と、空誘うか?うん、聞いてみよう。

僕は坂道を登っていく。

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「おはよう宇野宮!暑いな毎日!そうだ、先生タンクトップにしようと思うんだが、宇野宮もどうだ?」

廊下を通ってすぐに話しかけられるのは決まってこの人___梅原先生。
先生。暑いのはあなたなんではないでしょうか。と心のなかで意見しておく。

____と。

「・・・あ」

美冬さ、ん。

長い髪の毛をひらりと翻して、僕の前を通っていく。美冬さんが通るところはいつも涼しいというが、本当のようで、一気にひんやりとした空気になる。

・・・おはよう、言えたら良かったな。
少しそう思ったのは、何で?


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