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300:まい◆8Q:2017/08/05(土) 17:55

7.昔のコヨ
「コヨって、小さいの小に、時代の代って書くの?」

「いきなり呼び捨てか。わたしも呼び捨てで呼んでみよう、真美」

溜めなくていいから、さっさと答えてよね。
今日のうちに何回にらんだんだろ。
真美は、コヨをにらんだ。

「そうよ、小代よ。どうせ、真美の祖母の幼なじみの生まれ変わりって言うんでしょ」

何で分かるんだろ。
ちょっと疑問の目でコヨを見る。
コヨは笑いながら、戸を閉めた。
聞かれたくない、話かな。

「わたし、両親に虐待受けてて、養護施設行ったの。本名は和江。だけど、小さい時だったから、名前も変えられたの。本当の俣野コヨさんが亡くなった生まれ変わりって」

コヨ、大変なんだ。
真美、勝手に悪いヤツって決めつけてた。
ごめんなさい、コヨ。
きっと、自分を本当に育てたいと思って引き取ったかもしれないけど。
記憶がないっていうのを利用してコヨにされた恨み、ちょっとはありそ。

「わたし、和江で生きたい。コヨはイヤだ」

本当の自分で、生きたいよね。
真美だって、いきなりコヨになれって言われてもイヤだもん。

「おばあちゃんに相談して、家来る?絶対楽しいよ」

「イヤだ。わたしは真美の敵。敵の家なんかイヤだ」

敵っ?
真美は、いきなりコヨが話しかけてきた時のことを思い出した。

「今回の用は何よ」

「別に。じゃ」

そう言い残して、コヨは真美の家を去っていった。


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