ープロローグー 海沿いの道路。少しの街灯。 裏山で、セミ達が夏の終わりを知らせるように、鳴き続けている。 私は走った。 裸足に小石があたって、刺さるように痛い。 涙が後ろへ飛んでいく。 今、君に逢いにいくから。 だから…もう少しだけ待って。 急がないと。早くしないと。夏が終わる。 そうしたら、君にもう2度と逢えない。