(うわああ、本編のみ更新で分かりにくかったですねすみませんっ
なんだか私の伏線にもお気遣いいただいたようで、ありがとうございます嬉しいです*)
【そろそろ慣れたね恵里視点 >>240続きから】
「大分昔に遡るんですが……」
そう、本当に昔の話。具体的に言うのなら、私が生まれた頃からのお話。
それでは初めに、皆さんに爆弾発言をプレゼント。
「まず、生徒会会計の神狩美紀先輩は、会長の幼馴染……ではありません」
チラと亜衣たちを見てみると。
は? という顔で固まっていた。
フリーズすること約3秒。
「え、ちょ、ちょっとストップ。神狩さんて、会長の幼馴染だから会長の手伝いしてるんじゃなかったっけ!?」
「そうだよ恵里! てゆーかあたし、恵里が会計さんと話してるの見たことない」
「正直、スパイとかじゃないか心配ですけど……」
うぐ、と言葉につまる。
「絶大な権力を持つ生徒会長の、幼馴染かつ補佐かつ腰巾着。自分と風花百合香は幼馴染だって、本人が言ってたことがあるけど。実は違いますなんて急には信じがた——
「でも! ほんとです。美紀は私の幼馴染なの! 美紀は、あんな人の手下なんかじゃない!!」
つい大声になってしまい、遮られた藤野先輩たちは変な顔。
「あ、す、すみません……でもホントなんです」
ぎゅ、と手を握り縮こまると、松葉先輩はしびれを切らしたようで。
「あのなー……分かったから早くしてくんねーか? わりと真面目に」
「そうだよ恵里ー。まいてまいて。めちゃ気になってるから」
「は、はい、ではあの、詳細は後日ということで、横槍禁止令でお願いします」
片津を吞んで身を乗り出す観客6名。壁の向こうで音漏れに耳を傾ける招かざる観客1名。
どちらにせよ、重大な話をするのには最高の状況。
私と、私の幼馴染の過去を告白するのなら、せいぜいドラマティックに頑張ろうじゃないか。
そして私は話し始めた。
「神狩先輩の家は、3つ隣のご近所さんでした————」