(えっと、今度は復活派で)
「………いってきます」
小さく呟き、玄関のドアを開ける。
今日は五月の第三月曜日。つまり、新たな週の始まりだ。
私は、歩いて15分の駅に向かう。今年から通っている白羽学園にいくために。
白羽学園。
理想と絶望が混じり合う、究極の学校。
成績とは身分。
それが、白羽学園の絶対的なルールだった。
私の名前は白野恵里(しらのえり)。一応、普通の学生である。
一応、とつけたのは、私自身は普通でも学校がそうでないからだ。
白羽学園と言えば全国に名をとどろかす、『理想』の進学校。
確かにこの学園は、生徒の学力を伸ばすことに関しては積極的だろう。
教室、設備、職員、学校行事。そのどれをとっても素晴らしいと言わざるを得ない。
ただひとつ、欠点をあげるとすれば。
それは、教育方針に違いない。
私たち白羽学園生徒は、いつも勉強に追われている。その主な理由が教育方針にあった。
入学した生徒達はすぐさま5クラスに分けられる。基準はもちろん、入学試験時の成績だ。
上は全国でもトップの頭脳をもつA組から、下はギリギリ合格できたというE組まで。
下とはいってもそれなりに良い成績なのだが、そんなことを言える立場ではない。
私は、1年E組だから。
「………ハァ」
最近癖になってきたため息が自然と漏れる。
……今週も頑張らないと。