[太陽系。]
蒸し暑い夏それは、まるで私を焦がしているみたいだった。
怖かった。
そんな暑さを発する太陽が。恐ろしくおぞましく感じられた。あの暖かさで心が満たされていた春、域を通り越せばただの邪魔にしかならない。
「なんだろな…」
本当に。何なんだろう。
何が欠けているのか。何故君はその子を守りたいのか。君がその子の何を知っているのか。その子のどこが良くて君はそうやってその子の近くにいるのか。
何で、その子が好きなの…?
何で、一番近くにいた私を選んでくれなかったの。
何で、何で、何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で
何で。
ゲシュタルト崩壊してしまうくらいノートに書いた「何で」。声に出そうにも上手く声にならなくて、行動で示そうとしても君には届かない。
何がその子と違うか…?それはわかりきったこと。力。私にはないものをその子は持っていた。私では到底入手不可能。ゲームの様に攻略本はない。販売されていないのだから、世に出回る情報を駆使してもそれを手に入れることは叶わない、私には。魔法、それは私にとっていまわしく太陽の様な存在だった。そうだよ、もう太陽なんか太陽系ごと全部、消えて仕舞えばいいのに。