[白、それはカラッポ?]
幼馴染の水瀬 優子『ミナセ ユウコ』、親友で男友達の影宮 宗太郎『カゲミヤ ソウタロウ』。
彼らは、俺とは違った。
正確には、
俺だけが違った。
ただ、違った。
そう、何かが。
「和樹『カズキ』ー、今日からほら〜従兄弟の星海 白雪『ホシミ シラユキ』ちゃん来るからね。部屋とか汚かったでしょう。隠すものとかあったら善は急げ、よ。」
「はいはー…って隠すものとか何もねえよ⁉善は急げって…最前尽くせってことか⁉日本語たまにおかしいよな、お母さん!」
「渡橋『ワタリバシ』家で大事なのはお母さんの言葉の意味を理解することよ。頑張ってね。」
「いやいや、お母さんの言葉の意味を理解できるそんな素晴らしい方がいるならば…っていたが、お父さん。」
部屋のゴミをゴミ箱からゴミ袋へ移す。ベッドの上の漫画は本棚へ、ちょっとエロい本はベッドの下へ…あ。待てよ、お母さんはまさかこれを隠せと…?思わず顔が真っ赤になる。いやいや、でもそんなにエロくはないだろう。ちょっとしたそういうライトノベルだし。
そうこうしているうちに部屋は片付いて、家のチャイムが鳴った。
ピンポーン…。
「はあ〜い。あら、白雪ちゃん久しぶりねえ〜。さ、上がって上がって。」
「こ、こんにちわ。叔母さん。ご無沙汰しています。えと、お邪魔します…。」
ちなみに俺の部屋は二階にあるので白雪ちゃんとやらがどの様な顔をしているのかは、玄関で目撃することはできなかった。まあ取り敢えず挨拶くらいして部屋に戻るか。白雪ちゃんとやらとお母さんのいる一階に下りる。
「和樹ー、あんた紅茶どこにしまったの?」
「あー?紅茶?」
台所にいたお母さんは食卓の椅子を使って高い棚を探していた。
「俺は面倒くさがりなの。食器棚にあるじゃん。」
「もー、あったものを元の場所に戻さないのはダメでしょ。」
無事紅茶をゲットしたお母さんは怒りながらも楽しそうだ。
「へいへーい。」
適当な返事でも何も言ってこない。何で機嫌がいいんだ。
「あ、あの…叔母さん!」
天使かと思った。可愛い声がして振り向けば真っ白。まるで太陽を知らない真っ白な肌。真っ白な雪のような長すぎず短すぎず綺麗な髪。それに映えるような赤いリボンのカチューシャ。顔は可愛い系の童顔。白いワンピース。天使だ。俺はついにお母さんのありがたみを知り、死ぬのか。
「和樹、挨拶しなさい。可愛いからって見とれてんじゃないわよ。」
「あ、こんにちわ。」
「ここ、こんにちわ。私、星海 白雪です。きょ、今日からこの家に住まわせていただく、居候みたいな…」
「は?住む?ここに?」
「は、はは、はいっ!」
は?
こんな年幅も無さそうな天使のような子と?
一緒に住む?
は?
もう一度言う。
は?
あえてもう一度。
は?