Prologue
ここは、まったり村。
村名を聞いただけだとほのぼのしている村であると想像できるが、それとは裏腹に、普通ではない特殊な村なのだ。
なにが特殊なのかを説明すると……まず、小学5年生、つまり高学年からなら自由に独り暮らしができる村だからだ。
それだけではない。この村では事件や物騒などが1度も起こったことがないらしい。なので、周囲からは “ 楽園のまったり村 ” とも呼ばれている。
今日は、そんなまったり村に新村長が就任される日。
今まではある人が村長を勤めてきたが、村長の選挙でその人よりも村長にふさわしい人が存在することが判明したからだ。
かわりにその人は新村長をサポートする秘書を勤めることとなり、新村長を勤める人は今日まったり村に引っ越してくる予定となっている。
元々村に住んでいる住民たちは、その新村長がどんな人で、どんな村作りをしてくれるのか期待を膨らませていた。
____が、しかし……これだけは言っておこう。
その新村長も、このまったり村のように、少し特殊な人間である、と。
さて、そろそろ新村長もがったり村にやってくるころだろう。
今、この村で新たな物語が始まる____。