第四章 裏切り
千葉波は、キッと、空をにらんだ。
(綾瀬が、私を裏切ろうとしてることくらい、知ってる。ノノカにまた、奪われるとか、有り得ないけど…。)
ふと、波に名案が浮かんだ。
(会長を味方につければ…。貶めることができるわ。)
スマホをスクロールして、電話帳を出す。
ピコピコ‥…
[小本友梨]
に、電話をかける。
プルルル…
「はい?波?どうしたの?」
友梨の声に安心し、波は、ニヤニヤが止まらなくなった。
「友梨〜。また、あんたの餌食が出そう。そ。琴南綾瀬。めっちゃムカつくのよね〜!後は、生徒開室で。」
少し会話し、波は電話を切った。
ふうっと、溜め息を吐いた。
(友梨と仲良いと、色々得するのよね〜。ま、クズの中では、ね…。綾瀬、早く消えて。)
ムカつく綾瀬の顔を思い浮かべ、波は苛立った。
(ノノカは、始末OK、友梨のタメなんだからね。)
幼なじみの驚いた顔を思って、波の口の端が、ゆるむ。
彼女の裏切りに対する報復は、何よりもすごく、酷いものである。
(友梨は、執行。私は友梨の“餌食”を見つける。)
苦しみに歪む、綾瀬を見たいと、拳を握る。
(この学校は、私達のホームグラウンドなんだから。誰も、逃げれない。)
波は、残酷な笑みを浮かべた。