「ピーポーピーポー」
うるさく鳴るサイレンを聞きながら私はさっさと道路を渡る。
さっさと帰ってお風呂へ入りたかった。
バタン。
「ただいまー」
玄関のドアを開け、すぐに部屋に入る。
「あ、若菜おかえりー」
お母さんは洗い物をしながらこちらをむき、私に気づく。
「ただいま」
私はもう一度言い直しながらテレビをつける。
「ニュースをお伝えします。
ついさっき○○県○○市○○○○で事故が起きました。男の子一人意識不明の状態です。」
あれ、うちの近くじゃん。
もしかしてさっきのかなぁ……
「あら、やだうちの近くじゃない!」
お母さんは洗い物を終えて私の隣へ座る。
なんだろう…胸騒ぎがする……。