怖くて目を開けられない、だから目を開けずにずっといた。
目を開けて、そこは天国なのか?
本当に僕は天国に来れたのか?
そんなことばかり考えてしまう。
そこがもし、本当に天国だとして、はたして彼女に会う事は出来るのだろうか?
それよりも気になるのは、今僕が「どこで」寝ているかだ。
少し硬いけど…なんか上下に動いてて、今どこで寝ているか見当もつかないっ!
ていうかなんで上下に動いてるんだよっ!
意味わかんねーし、僕って確実に死んだよねっ!?
とにかく、目を開けないと始まらない。
よしっ、開けるぞっ!
目を少しずつ開ける、久しぶりに感じる光がとても眩しい。
今、僕がどこで寝ているか、その答えはすぐに出た。
僕が寝ていたのは、鱗の上だった。
鱗の一枚一枚がとても大きく、その鱗の主は縦に細く、そして長い瞳で僕を真っ直ぐ見つめている。
冷や汗がだらだらと頬をつたっていくのが分かる。
僕のいた世界では起こらないような出来事。
そして、この世界は僕が描いていた天国という世界とはほど遠い世界だった。
赤く光る鱗をもつドラゴンの上で、僕は寝ていたのだ。
「いや、なっ…なんでドラゴンがいるんだよぉぉぉー」
「キシャァァァァーーーッ!」
コイツッ、僕が起きるのを待っていやがった!
なんて嫌な奴だっ!
ていうかここ…
「どこだよぉぉぉーーっ!」