True End

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3:匿名:2017/07/13(木) 21:45

「それじゃあ、始めようか」

誰かの合図とともに、タイミングよく雷が鳴った。
外は大雨で今もシトシトと音が聞こえる。
連続する雷の音で、誰かが悲鳴を上げたが、それが誰かは分からなかった。
【2年A組】と書かれたこの教室は真っ暗なのだから。
この空間に今、俺を含めた8人の人間がいること以外、誰が何をしているのかは全くと言っていいほど、分からない。
教室を暗くしようって言ったのは……ああ、大槻か。
視覚を奪われ、聴覚が敏感になった状態での【犯人探し】は最適だと、彼は言っていた。


1週間前、クラスメイトの小倉が亡くなった。
背中にナイフが刺された状態の彼が、夜道で発見されたそうだ。
普通、クラスメイトが死んだら、悲しいと思うだろう。
ましてや、彼は自分達と同じ高校生なのだから、尚更だ。
しかし、俺と他の7人は違った。
俺達は彼をいじめていたのだから。
最初は些細なことでからかったり、陰口を言う程度だったが、それはエスカレートしていき、壮絶的ないじめに発展してしまった。
俺が属するこのグループは、良くも悪くも目立っていた。
いや、グループというより、リーダー格のあの二人と言った方がいいかもしれない。
とにかく、俺達は彼をいじめ続けた。
勿論、俺はやりたくてやってたわけじゃない。
ただ、彼を庇えば、今度は自分が標的になることを恐れていただけだ。
多分いじめを楽しんでいたのは、あの二人だけだろう。
自分を守るために、彼に対する罪悪感ばかりが募っていく日々を俺は過ごしていた。
そんなある日、彼が何者かに殺されたということを知った。
クラスに、俺達8人の誰かが犯人だと噂が流れるのに時間はかからなかった。
最初は絶対違うと思った。
まず、あの二人からすれば彼は自分のストレス解消の道具であり、ある意味欠かせない存在だった。
それに、罪悪感に耐えていた俺達だって、彼のお陰で自分は標的にされずに済んでいるのだ。
彼を殺害する理由など、なかったはずだった。


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