心海は、嫌な顔せず、
「そうなんだ!じゃあ、今度ね」
心海と約束して、こばとのクラスに行く。
6ー1は、まだ終わりの会前。
教室前に置いてある、学級文庫を手に取ろうとして、こばとのノートを持ってるのを思い出した。
こばとの小説の方が、おもしろい。
こばとって、意外と短編小説や、切ない純愛系の小説を書いているんだ。
私じゃ、書けない。
ちょっと読んでいると。
「七瀬。・・・って、また読んでる?」
「あっ・・こばと〜!!」
いつの間にか、終わりの会は終わっていて、廊下は生徒たちでごった返している。
みんな、中央階段使うし・・・・。
「ね、こばと。西階段から行こうよ!」
こばとは、うなずく。
西階段は、薄暗くてあまり(急いでる人以外)使われていない。
ちょっと怖いけど、はやく家に着きたいし。
背に腹は代えられぬ!
こばとと、雑談をしながら、玄関に着く。
1〜6年が玄関に居るから、かなり暑い。
「こばと・・・・行くよっ!」
こばとの手を取って、生徒の間をすり抜けていく。
>>19 ありがとうございます!
これからも、がんばります!
すり抜けていくと。
「うわぁーん!」
えっ!
泣いてる子!?
1年生みたい。
こばとが、かがんで、
「どうしたの?」
と、聞く。
女の子は、ポロポロと泣きじゃくりながら、
「あたしの靴、取れないの」
こばとは、ニコッと笑って、
「お姉ちゃんが取ってくるから、待っててね。あなた、なんて名前?」
「堺田心音・・・」
えっ!?
堺田!
堺田って、あの私が注意した、堺田だよね?
こばとは、機敏に、1年生の下駄箱に駆け込む。
しばらくして。
「ハイッ、心音ちゃん。この靴だよね?」
心音ちゃんは泣き止んで、ニコッと笑った。
「ありがとう、お姉ちゃん」
その光景を見て、思ったんだ。
やっぱり、こばとをお悩み相談委員会に入れたいって。