2.人生初の体験!?
私は、旅行バッグとコロコロ転がすやつに、マンガたっぷり。
パジャマにお洋服。
ヘアゴムに、ばあばの形見。
ありとあらゆる物を詰めてっ!
ママがためてたヘソクリをもらい。
こっそり私は家出っ!
重い、重いぃ。
「あ、マオ。重い荷物持ってどうしたんだ」
コイツが、ムカつく幼なじみ。
荻窪翼。
原因はお前だーっ!
「翼には関係ないでしょっ。ほっときなさいよ」
私は、翼を無視して電車の駅へっ!
カッコいい男の子なら(マンガの世界)、私を追いかけてくれるのに。
翼、手を振るだけ。
余計ムカつくーっ!
「お嬢ちゃん、ひとりで旅行かい?」
駅で座っていたおじいさんと目が合った。
このおじいさん、普通じゃない。
怠けた(すぎた)おじいさんみたい。
「ちょっと親戚の家へ」
「すごいねぇ」
思ってないくせに、そんなこと言うんじゃない。
本当に感じたことを言うんだっ!
私がちょっとにらむと、おじいさんはビクッっとして、もう話しかけてこなかった。
あら。
おじいさん、何か、すみません。
みんな通るのかな?
家出の道。
出来るだけもう通りたくないな。
うん。