4.第二の人生?
何とか里賀に着いた。
大堀さんは、籠尾に降りたんだ。
内心焦ったよ、ホント。
でも、籠尾で降りて、里賀に戻る。
時間ロスだったね、ふんっ!
麦わら帽子を手に、叔母さん家へ向かう。
夏休みってことあって、やっぱり暑いなあ。
ドアフォンを押すと、叔母さんが優しい顔で出てくれた。
「どうしたのマオちゃん。連絡なしで私の家に来て」
私は、叔母さんに、今まであったことを伝えた。
電車降り遅れ事件もね。
「マオちゃん、大変だったわね〜。どうぞどうぞ、上がってちょうだい」
叔母さんに手を引かれて、叔母さんの家に上がった。
あ〜、いい匂い。
蚊取り線香もあって…!
なんて和なのっ!
「お願いなんですけど、私のこと言わないでください。ママやみんなに。私を、羽折にしてください」
羽折って言うのは、叔母さんの名字。
もう、いっそのことここに住んじゃおうかしら。
すごく楽しそうだわ、ランっ!
「マオちゃん、乗ったわ。家ではマオちゃん。外ではミオちゃんでどう?」
「うん、私、羽折ミオになる!」
別の生活だけど、これでいいんだっ!
叔母さんはにっこり笑った。
学校も、新しくここで通えばいいものね。
テレビをポチッっと付けると、ニュースがやっていた。
「速報です。東京都に住んでいる高野真櫻ちゃんが行方不明だそうです」
ゲッ!
私のことっ!