5.行方不明の高野真櫻
このままだと、学校の子にバレちゃうよね、高野真櫻ってこと。
叔母さんと話し合った結果、私は伸ばしていた腰くらいまでの髪の毛を、元美容師の叔母さんに切ってもらいっ!
視力を落とすことにして、メガネをかけるっ!
するともう別人だぁ!
「いい?マオちゃん。あなたは、羽折美櫻なの。いいわね?」
叔母さんに聞かれて、うなずく。
風邪の子ということで、マスクしながらメガネ屋へっ。
夏だから、髪の毛が縛れないし、マスクしてるから暑いのよ。
ミオの生活、いつまで続くんだろ。
でも、よく考えたら、メガネ買っちゃえば、マスクはいらないの。
ずっとミオでいいけど。
でも、全校出校日に、ポスターとか、作文とか提出しちゃった。
1日マオになっても、いいかも。
それで私は、メガネをかけて家に帰ったの。
在庫をそのまま買ったんだっ!
テレビを付けると、まだ私のことが流れてるっ!
「高野真櫻ちゃんのお母さんです」
キャスターが言い、画面がお母さんに切り替わる。
フラッシュをバシャバシャ浴びてる。
「マオとは、ちょっとケンカをしてしまいました。マオの幼なじみの子のことで。そして、全然マオが部屋出てこなかったものですから、部屋をノックしました。返事がなかったので、寝ているのかと思いまして。私はとりあえず部屋に入りませんでした」
ふん、もうその頃には、私はいませんよーだ。
叔母さんもとなりで観ていて、これからどうしようか検討するの。
「時間が経っても経っても来ないので、謝ろうかと思い、部屋をノックしました。返事はなく、心配で部屋を開けました。そうしたら、マオはいませんでした。家中どこを探してもいませんでしたから、警察へ連絡しました」
ふーん。
もうちょっと、娘の心配したらどうなのよ、ねえ。
今はね、叔母さん家で幸せに暮らしてるのよ(暮らそうとしてるのよ)。
「次は、真櫻ちゃんの幼なじみ、翼君に聞いてみました」
翼も出るのぉ。
めんどくさいなぁ、この番組。