L黒いミオウ
その日の放課後は事務所に行って、ララさんから相談者に関する説明を受けた。
「今回の相談者は、崎紅学園の児童会長さんから」
その一言を聞いたとき、ミオウが一瞬破顔した。
「ミオウ」
ララさんが厳しくミオウを呼ぶと、ミオウは珍しく、小さな声で返事をした。
「はい……」
「ミオウ。あなた、児童会役員でしょう。知ってるわよね?」
また小さな声で、
「はい……」
しかし、事務所メンバーは誰も何も言わない。
……わたしも。何も言わずにいる。
そんなことも気にせず、ララさんはテキパキと話を進める。
「名前は菅名茜さん。進路や勉強、テストについて悩んでいるみたいね…ミオウ」
「はぃ」
後半は、消え入りそうな声。
ミオウは、いつだって呼ばれたら堂々と返事をするのに。
パワフル☆ピースのリーダーとして、見逃せない。
……わたしはまだ、そう考える余裕を持っていた。
「ミオウ。1番菅名さんを知っているのはあなたなのよ。協力しなさい」
「…………」
ミオウ。いつだって、問いにはハッキリと答えるのに。
ミオウ……。何か言ってよ、ミオウ……。
「おい、何か言えよ」
(今日は事務所にいる)ソウマが、キツめに声をかける。
人の心の中を読み取る能力を持つソウマ。
わたしの心情を知って……?
それとも、ソウマ自身の思い……?
ミオウの心中を知るソウマだからこその発言だろう。
そして、その後ミオウがどう答えるかも、分かっていたに違いない。
なんとなく、わたしも気付く。
ミオウは、
「嫌だ、協力しない……今回はトウナだけで相談を受けてよ、いいでしょ」
それは、普段冷静なミオウが、心中をあらわにした瞬間だった。
心の奥底に溜め込んで、必死になって押さえ込んでいた、不平、不満、わがまま、欲望……。
「なんで私が相談になんて乗らなきゃいけないのよ!あの人の…あんな人の…私は、いつも事務所に来てあげているの。今は大事なテスト前なのよ⁉なのに…大した仕事もない事務所に、居てやっているのよ‼そんな時期に、よりによってあの人と関われなんて……」
大きな声で。
「私は、絶対にやらないから!」
黒い気持ちをさらけ出したミオウは、事務所を飛び出した。
実は私もこんがらがってたんだ…(駄作者)
>>252の内容かな。
菅名さんの相談に乗りたくない〜ってやつ。