Re: -Under The Sea-
____母なる海と誰かが言ったけれど、あながち間違いでもなかったみたいだ。
宝石のような銀の泡と共に、僕の下らない呟きが上へと舞い上がる。あんなに綺麗な僕の吐息と、あのつまらない言の葉が、同じ僕の口から生まれたなどとは信じがたい。僕は、それらが黒の彼方へと消えていくのを確かめ、ゆっくりと目を閉じた。
____嗚呼、どうせ暗闇だもの。何も変わらない。そうだろう?
返答は無い。そんな事分かりきっていた筈なのに、何故かきゅうっと胸が締め付けられた。分かってた筈なのに。
僕はゆっくり微笑むと、ぎゅっと拳を握り締めた。何かが指の間をすり抜けていく。それは僕にとって喪失なのか。それとも、元々僕の手の中には無かったものなのか。