____でも、僕はずっと永遠に君を取り戻すことは出来ない。
____君はまだここにいるけど、もうここにはいない。
____折角、君に会いに来たのに。全部、聞こえてるんでしょ?
____意地が悪いなあ。
返答は無い。僕はため息をついた。きっとまた、さっきの銀色の宝石が僕の唇の端から旅立ったのだろう。悲哀と切なさを内包して。いつだってそうだ。いつも君は僕を振り回してばかりで、こんなところまで会いに来させる。君は、この海の、この闇の何に惹かれた? 僕にはさっぱりなんだ。君のことはいつも理解出来ない。
でも。
____僕を振り回してくれるのは、君だけなんだよね。
何処かで何かが揺らぎ、体が不意に暖かくなった。うっすらと目を開ける。ほんの少し驚愕が襲い、僕は瞬きをした。