>>997
ありがとう!
斎藤さんは、生きてるよ(*^^*)
頑張ってね!!
※長レスかも
☆
13,戦死と気付いたキモチ
私は、鉢巻きを巻いて、刀を抜く。
艶やかに濡れたように光った、美しい刀身をスッと前に出す。
よしっ!
シミュレーションはばっちり。
「行ってきます!」
開戦とともに、私は走って敵を斬りつける。
飛び散る血飛沫に知らんぷりして、次の敵へとかかる。
ゾクゾクする喜びに、胸をおどらせてる自分に戸惑いながら。
何時間経ったのか。
私に、不幸の報せが入ってきた。
「嘘だっ!」
私は、なりふり構わず駆け出した。
着いた先に、斎藤さんの姿が見えた。
顔を綻ばせる暇なく、私は横たわってる土方さんに寄る。
「土方さんっっ!死なないでくださいよっ!」
青白い顔が、いや、そのまぶたが震えた。
僅かに目が開いた。
「・・・すまない・・・」
今は、謝る場合じゃないよ!
私は、必死に止血する。
もう間に合わないと知っていても。
土方さんが、私に向けて、
「・・・俺は、・・・夏音が・・・好きだ・・・」
ああっ!
そんな言葉は、生き抜いてから言ってよ!
私は、涙がこぼれるのも構わず、体を揺する。
「・・・生きろ」
それだけ聞こえて、今度こそ土方さんはまぶたを開けなくなった。
次第に、息すらしなくなって────・・・。
「ああっ!・・・嘘よ!!」
みんな、死んじゃった。
私は、慟哭した。
そして、やっと気付いた。
私、たぶん心のどこかで恋愛感情に似た、感情で土方さんが好きだったんだね・・・。
もう、このキモチは伝えられない。
私は、むせび泣いた。
14,時空のはざまで愛を囁いて
ふいっと、誰かが私の前にたつ。
水干姿の、黒髪の男の子。
「君のお母さんが作った、マシーンは壊れたよ。だから、君も帰るんだ」
帰るの・・・?
その子は、ニコリと笑った。
「最後に、時空を結んであげる。沖田総司に挨拶しにいきなよ」
私の視界が揺らいで、目の前に、沖田さんが!恐らく、元気な頃の。
「約150年後に、また逢いましょうよ、沖田さん!」
声がかれても良い。
私は、離れ離れになるのを覚悟し、叫ぶ。
沖田さんが、ふわっと微笑んだ。
「約束ですね。愛してます」
そして、私たちは時空のはざまで愛を囁いた。