---*第1章*---
「乃笑、一緒に学校行こ〜」
「ごめん、紗枝。今日1人で登校したい気分なの。」
「気分!?乃笑は本当ユニークだね、じゃあね!」
自分の気分で決めるのは悪くない。1人でのんびりと行きたいんだもん。紗枝には悪いけど・・・
「乃笑、でも時間ヤバイよ!もう7:40!家から学校遠いんだから」
美麻ねぇが言う。美麻ねぇもとろいじゃん。そんなことを言ったら面倒くさい事になると思うからやめといた。
ガラガラ
教室のドアを開ける。私の席は廊下側の一番後ろの端っこの席。ランドセルを机の上に置くと、
「乃〜笑ちゃんっ♪おはよっ♪」
「おはよう、ところで誰?」
「えっ、も〜乃笑ちゃん!青木ひまり!そろそろ覚えてよ!」
名前なんて覚えなくてもいいじゃん、そんなことを考えている、小鳥遊乃笑。4年生の春です。