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転校とは、普通の人はそこまで経験するものじゃない。
転勤族とかよっぽどじゃないとね。
しかし、私の母は、転勤族ではない。しかし、会社の都合上、転勤することとなってしまった。
そんなわけで、私も転校することになった。
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ともかく、今回の転校は人生で初めて。というか、これから転校する可能性は多分ないだろう。
因みに私の地元は東京。東京からふつーの田舎の小学校に転校する事になった。
そのお陰で、私の格好は浮きまくり。まあわざわざダサい服買ってまで誤魔化したくもないので良いだろう。
明日から学校か。……多分大丈夫。転校生って注目されやすいし友達くらいすぐ出来るでしょ。特別コミュ障でも無ければね。
「友達たくさん作りなさいよ〜」なんて言う、母のお節介を流しながら、私は自室に向かった。
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自室の机の上には、前の小学校の思い出の品が沢山ある。
わざわざクラスでお別れ会までしてくれて楽しかったな。友達みんな泣いてたし。
とにかく、私はこれから成人するまでずっとここで暮らすことになるだろう。だから、慣れないとね。
落ちつかない気持ちを抑えながら、私はベットに寝転がり、目を閉じて眠った。