アディオス、   

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3:とくめーさん◆K6:2017/11/10(金) 21:30




   1、



 ××君...... 恋バナではよく出てくる名前。 
 所謂 “モテ男” だけど、 何がいいのかさっぱり分かんない、 そんな非モテな私。 

 雀も鳴くのを諦めるような五月蝿さの中の教室、 朝休みは唯一の休憩時間だ。

 そんなモテ男の名前が、 まさか友達の口から零れるとは。 

 「彩舞は...... 優君一筋だもんね。 」

 それ、 いつの話...... 優君、 それは名前の通り優しくて可愛い、 そんな子で。



 ああ、 申し遅れました。 宮下彩舞、 中学3年です。
 趣味は...... ありません。 特技は...... やっぱりありません。 特出した所も何もない、 地味で何処にでもいそうなヒトです。

 「××君ってさ、 優しいよね! カッコイイし、 成績優秀だし、 運動神経だっていいし! 」

 優しい? 成績がいい? 運動神経がいい? 
 「そう思わない? だってさぁ...... 」

 認めてあげよう、 仕方ない。 これは、 惚気を聞かないようにするための...... 



 ......



 なんか遥が五月蝿くなりそうだから、 黙っておくのが1番だな。

 「ね、 遥。 ××君って、 そんなに...... 」

 話してる途中なんだけど...... 
 すごい殺気を感じるのは気のせいだよね、 ね!

 「あ、 ××君来た! 」

 そんな機嫌も吹き飛ぶほどの、 格好良さらしい。
 そんなの何処から感じられるのか、 気になって仕方がない。
 
 ××君が教室に入って期限が良くなるのは、 遥だけじゃないみたい...... です。

 「××君! 」
 あ...... 話に行ってる。
 ××君の周り、 女子ばっかり、 飽きないのかな?

 女子なんて...... おもんないよ。



 まあ、 モテ男はね......



 「おはよ。 」

 え...... 私に挨拶した? 今、 さっき......



 しぃん...... と静まり返る教室に、 ××君の声の余韻に浸るヒト。

 挨拶って返した方がいいよね。

 静かな教室にさよならを告げて、 笑顔をつくった。
 「おはよう。 拓海君。 」


 


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