はぁ…こんなに気分が沈む日は初めてだ…。何てったって!常に!俺の顔を!見られない!
「はい」
誰かに、声をかけられた。俺の手の上には、小さな丸い鏡が載っていた。
「涼夏…。」
「か、勘違いしないでよねっ!別にあんたが心配とか、そんな訳じゃないし…。、」
「やっぱり俺の顔は美しい!」
「人の話を聞けぇい!!」
「ぐほぁっ」
涼夏お得意のドロップキックをお見舞いされる。俺の美しい顔に傷が付くじゃないか…。
でも、涼夏は昔から、なんだかんだ言って俺のことを気にかけてくれる、まぁ、ツンデレってやつだな。
「あ」
カツン、と鏡が落ちる。「ごめん、」と言いながら腰をかがめ、鏡を拾おうとした。
その時。
鏡から直視できないまばゆい光が俺と涼夏を包み込んだ。
俺はそのまま、意識を失った。