ちょっと変哲のある俺が異世界で活躍してみた。

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5:さいだー◆ck:2017/12/16(土) 22:57

2.ここは…異世界!?

ん…なんだ…目の前がクラクラする。
ここは…?なんだ、何も変わらないいつもの帰り道だ。何かがおかしい気もするが、まあ気のせいだろう。それにしても、なんでこんな所で寝てたんだ?俺。
そう思って立ち上がろうとした時、冷たい何かが指先に触れる。
「鏡…?、、、!!そうか、あの時、涼夏と光に包まれて…!!」

俺は近くに倒れていた涼夏の元へ駆け寄り、体を揺する。
「涼夏!しっかりしろ!」
「ん…んぅ…。」
「涼夏?起きたか。」
「うん…、あれ?私たち、何してたんだっけ。なんか光に包まれて…それで、、なんでこんなとこで寝てるんだろ?」
「あぁ、俺も今起きたんだ。この鏡から何か光が出て…気づいたら寝ていたよ。」
「変だね、私たち…。」
そうなのだ。何かがおかしい。たしかに風景はいつもと全く変わらないし、俺や涼夏に何か変化が起きたわけでもない。だがそもそも、道の真ん中で寝るなんて、ありえないし、鏡から光が出ることもありえない。
そして_____人が一人もいないのだ。
「人が、、見当たらない、?」
おかしい。この道路は大通りというわけでもないが、夕方にもなれば夕飯の買い物をする主婦やら、学校帰りの学生やらが歩いている道なのだ。

「だれか…誰かいませんかぁ!」
涼夏がたまらず声を発する。俺もそれに合わせて、声を出す。すると、かすかだが、ガサ、とビニール袋がこすれるような音がした。

「!!…あのあたりから聞こえたわ!」
「行ってみるか。」
他に人がいるということに安心し、半ば小走りのような速さでその小道へと向かった。

「すみません!どなたかいらっしゃいますか?」

音がした方へ声をかける。すると、ゆら、と人影が現れた。
「やっぱり人がいたんだわ!」
よかったぁ、と胸をなで下ろすような仕草をする涼夏。

「___待て涼夏、あいつ…人じゃない…ゾンビだ…!」

すると人影が目にも留まらぬ速さで動き出し、俺たちへ向かって走り出し…。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

俺たちは声にならない叫びをあげながら必死に逃げた。だがゾンビは逃げても逃げても追ってくる。くそっ…そろそろ体力が限界だ…俺でこんななんだから、涼夏はもっと辛い。こんなとこで死ぬのか!?俺は!?せめて最期にもう一度俺の顔を見させてくれ神様…。


__突然、パン、という短い銃声が響く。後ろを振り向くと、銃弾のようなものがゾンビに命中し、ゾンビが黒い粒子になって空は舞い上がって行った。


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