「ねえ、不思議な魔法に魅せられた人間さん?私と不思議な不思議な契約を結びましょうよ。」
語りかけてくるその声は、どんなものよりも美しく、魅力的で、なおかつ私を魅了した。
「わ、私が、契約をするの?」
「ふふ、とても面白いことを聞くのね。もちろん、あなた以外にはこの空間に、私しかいないのよ?あなたに言っている以外に何があるの?」
少し小馬鹿にする美しい声。
「そう、よね。」
顔を上げる。別に、タイミングなんて無かった。顔を上げると、白いとんがりボウシをかぶった、真っ白な魔女がいた。
「あなた、魔女?」
魔女と判別を私が下したのは、その見た目が魔女のようだったからだ。特別な根拠はない。
「あら、やっぱりそう思う?あったり〜。私、魔女なの。」
「魔女…」
訳の分からない現状を、この魔女のことを口にする。
「魔女、と言っても魔力を持たない人間の世界ではいないのよね?魔女って。」
「え、ええ。知らない訳では無いけれど、おとぎ話とかであるくらい…だよ。」
悲しそうな、そんな気がしてとっさに自分なりの少しフォローをした。
「あら、少しは知っているのね?ふふ、嬉しいわ。まあ、本題に戻りましょうか、人間。」
「さ、さっきから人間って呼ぶのやめてよ!私は、私は、あれ、名前が思い出せない…」
魔女は笑った。バカみたいと。
「ねえ?名前忘れちゃったのね?私が名前をつけてあげるわ。魔法の国へ導く鍵としてあなたには名前をつけて、魔力の生産機関の精製を私がすするわ。」
「魔力の生産機関…?」