夢々鬱々 【いろいろ詰め合わせ】

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4:燻製まふゆ◆oA:2018/01/15(月) 18:38


声が聴こえた。

ノイズがかかっているけれど。

大切な人だった、懐かしい。

そんな曖昧な意識の暗闇。

なぜだか思い出さなければいけないような気がする。

誰の声だ、呼んでいるのは誰だ。

待って、行かないで、逃げないで。

ちゃんと思い出すから。

瞳から一筋の光。

床へと落ちてシミを作る。

ひとつ、またひとつ、だんだん周りが変わって行く。

手を伸ばすけれど立ち上がれないんだ。

怖くて力が入らない。

「きみはだぁれ、」

呟いてみる。

『___________。』

待って、聴こえないよ、ねぇってば。

行かないで、置いて行かないで!

少しの光に希望を乗せて手を伸ばす。

ありったけの力で、足がたとえ動かなくても。

自分が進んでいると錯覚してしまうように。

あと少し。

ほら、もう届く。



掴んだその時目を開けた。



『×××、×××!』

あぁ、君か、君が呼んでくれていたんだね。

『×××、おかえり、』

「ただいま。」

そっと微笑んだ。

___________________

死にかけの子の話。
名前も性別も決まってないような、

定番だね。


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