「この家のものはおるか!!!」
耳を突き刺す甲高いロリ声。
日曜の昼過ぎ、柔らかな空気を
ブチ壊す声で私の昼寝は終了した。
ピンポーン、ピンポンピンポンピンポーン…
「……うるさい」
ピンポンピンポンピンポンピンポーン
普段なら居留守を使うところだけど、
やけにしつこい。
止めて、インターホン壊れる。
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン「おらんのか!?」
「在宅だと思います、テレビの音
するでしょう?」ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
話し声は二人ぶん。
二人とも女のようだ……そして両方
アニメ声と言うか、キンキンしていて
聞くのが苦痛な声をしている。
これ以上は近所迷惑、とっととお帰り願わないと。
そう思ってドアを開けると…
「なんじゃっ、居るのならもっと
早く出てこい!!!!」
「こら失礼ですよ。私達は挨拶をしに来た側なんですから」
「うぐ、そ、とれはそうじゃが…」
……こいつら人間?
ばばくさい口調の女子…いや少女は
ショッキングピンクの髪を、左右違う高さでツインテールにしている。
服装はクラシカルロリィタ。意味が分からない。
もう一人の方は、柔らかそうな
黄色のワンピースに白のカーディガンを羽織っている。
言葉使いも変な所は無い。
普通だ。
………ただし、青紫の髪と緑の瞳を
除いて。
呆然としている私を無視し、
ピンク髪の少女は笑顔で叫ぶ。
「隣に越してきた者じゃ、よろしく
頼むぞ!!」
「よろしくお願いします……
すいません、この人馬鹿なんです。」