タッ…タッ…
進んでいくごとに、だんだんと暗くなっていく。
いつしか、私が円状に歩いた真ん中には強い光を放つ宝箱が2つ出現した。
シュッ…
か細い音が微かに響く。
それと同時に、宝箱へと体をくるっと回転させた。
「行っちゃ…ダメよ!これは、危ない…」
「行きなさい!そこには新しい未来が待ってるわ」
2つの声がこだまする。この声は…私?
でも、動くのを止めようなんて思わない。思えない。
新しい未来…その言葉に魅力を感じ、宝箱に手を伸ばす。
指先に触れたものは、むにょっと変な感触。
その何かを掴むと、ぐいっと引き寄せる。
『ブハッ!!!!』
勢いよく、口から血が飛び出してくる。
掴んだものを見ると、心臓と脳みそだった。
「それはあなたのもの。さぁ、それを飲み込んで」
考える間もなく、急いでそれを飲み込んだ。
手足が痺れ、バタッと倒れる音がする。
「新しい未来はできたわ。眠りなさい」
そっと目を瞑り、死ぬことを決意した。
未来の為なら…何にでも犠牲にできる。
それが今の私…。