レミリアと咲夜が過ごす初めての夜が来た。
「お休みなさいませ!お嬢様!良い夢を!」
「ええ、お休み、咲夜。」
レミリアがそう言うと、咲夜はゆっくり部屋のドアを閉めた。
(ふう、今日はなんだか短い日だったわ。)
レミリアは心の中で思い、眠りに着いた。
―――深夜、目を覚ました。時計を見ても、まだ午前二時である。
(おかしいわ…いつもなら目が覚めることなんて無いのに…)
レミリアはしばらくベッドの上で寝そべっていた。が、突然咲夜が恋しくなってしまった。
「咲夜…早く来て…」
抱き枕を握る。目が潤ってくる。鼓動が速くなる。そして、そのまま寝てしまった。
「お早うございます!お嬢様!」
咲夜の声でレミリアは目を覚ます。
「…あら咲夜、お早う。よく眠れた?」
「はい、もうバッチリです!…あれ、お嬢様。何故泣いているのですか?」
そう言って咲夜はハンカチを取り出し、レミリアの涙を拭った。
「え…?……ふふ、なんでもないわ。」
人間が一人居るだけでこんなにも生活は変わるものである。部屋のドアを開けながら、レミリアはそう感じた。