「 えぇっと…? 」
茅那が苦笑いを浮かべながら何かを問う様に首を傾げれば、
女性はふわりと笑って透き通る声で言った。
「 よければ入ります? 大雨ですし、お疲れでしょう? 」
女性は長い髪をふわりと靡かせ、茅那の手を引いた。
距離を詰められた茅那の顔がどんどんと紅く染まっていく。
茅那は自身の顔を覗く女性に気づくと、隠す様に両手で頬を抑え、
傘のギリギリへと下がり少し距離をとる。
紅く染まる頬を見られるのが恥ずかしい、
こんなに早まる鼓動を聞かれたら困るから。
きっと理由はそんなところだろう。
…でも、何で。同性相手にこんなに胸が高鳴っているのか。