この戦いは、誰のために?

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2:アーリア◆Z.:2018/03/18(日) 20:24

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 アーリア王国の王都カメムーシにある大聖堂で、勇者を選任するための儀式が行われていた。と言っても簡易的かつ極めて短時間で終わる儀式なのだが。

「ユミよ、貴女を勇者として選任する」

 大司教がそう宣言すると、聖剣? のようなものを15歳ほどの外見の少女に授けた。と言うことは、この少女がユミなのだろう。

「勇者ユミ。貴女はこれより、魔王討伐の任務を与える。今から紹介する者たちともに、この任務を何としても達成するのだ」

 半年前にも勇者が選任されたそうなのだが、噂によるとその勇者が集めた旅の同行者が皆、魔王の手先だったとされている。これにより教会が勇者の旅に同行する者についても決定するという方針になったそうだ。そして、何故か私もその1人に選ばれてしまったのである。

「では、これより3名を紹介する」

 大司教はそう言うと、続けてダヴィド、マリーア、カルロ、と3人の名前を読み上げた。カルロというのが私の名前である。そして私は他の2人と同様に勇者の目の前へと移動した。

「以上が、貴女を支える者たちだ。さて、以上で儀式を終わりとする」

 大司教がそう宣言し、儀式が終わると聴衆や神父及びシスターも大聖堂の間を後にする。大司教も旅に必要な金銭が入った袋をユミに渡して、ここを後にした。私たち4人を残して誰も居なくなると、ユミが自己紹介を始めた。

「あの! 初めまして、ユミと言います。これからよろしくお願いします」

ユミが自己紹介を終え、今度はガッチリとした体形の男性が口を開いた。

「俺はダヴィドだ。王宮兵士長を務めていたが、今回、国王陛下の命により勇者ユミに同行することになった。よろしくたのむ」

 続いて、如何にも魔法使いのような恰好をした女性が自己紹介を始めた。

「私はマリーアと申します。攻撃魔法士として様々な仕事を請け負っていました。よろしくお願いします」

 攻撃魔法士というのは、攻撃やその支援を専門とする魔法士のことである。そして、魔法士には回復を専門とする回復魔法士というのも存在する。尚、両魔法士はそれぞれの『魔法士協会』が課す試験に合格した上で、登録することで各々の魔法士としての資格を得ることができる。

「私はカルロという。攻撃、回復と両方の魔法を一応扱うことはできる。ただ、どちらとも資格は有していないから、そこは注意してくれ。まあ、これからよろしく頼むよ」

 私も自己紹介を済ませて、これで一応は4人とも自己紹介が済んだ。
 そしてユミの提案で一先ず、これからの旅に必要な武器・防具などの道具を揃えることにした。


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