この戦いは、誰のために?

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4:アーリア◆Z.:2018/03/18(日) 23:06

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 大聖堂を後にした私たちは、旅道具が数多く揃えられている百貨店へとやって来た。この店は百貨店であることから、王都カメムーシの中でも有名な店である。

「じゃあ、金貨100枚ずつ預けておくから、各自で必要なものを揃えてね」

 ユミはそう言って金貨が入った袋を取り出すと、私を含め3人に金貨を100枚ずつを、現実の引渡の方法によって占有を移転させた。そして、私たちは約一時間ほどを自由時間とし、一旦解散することにした。
 私はこの百貨店には特段の用はないので、店を出て別の店へと移動することにした。何を求めているかと言えば、傭兵だ。そして何故、直接私の指示に従う『手足としての頭数』が欲しいからである。即ち私が今向かっている店は、傭兵団の雇い入れを斡旋している酒場なのである。

「いらっしゃい! 」

 私が酒場に入ると、元気な店主が出迎えた。

「っと、何だよカルロじゃないか……ってことは、また傭兵団の雇い入れということかな? 」
「そうだ。金貨1万枚の支払いが約されている手形3枚を渡すから、一応信用できる傭兵団に掛け合ってくれ。もちろん、金貨3枚相当だから、危険手当等も込みだと伝えてくれよ」

 実は、私はこの酒場の常連客であるのだ。何度も傭兵団を雇い入れて『色々』と活動しているのだ。危ない橋を何度も渡ったこともある。

「あんたのことだから、どうせ命がいくつあっても足りないことをやらせるだろうな? で、いつも通りの説明を傭兵団にすりゃ良いんだろ? 」
「ああ。いつも通り頼むぜ」
「で、この手形は……グランシス商会が振り出したやつか。金銭的に信用はできる商会だから支払いはこれで大丈夫だろう」

 そして、わたしは適当に飲み物を注文して待つことにした。店主は飲み物を出してから、直ぐに別室へと移動した。


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