プロローグ
「とりゃ!」
「お前流石だな!」
「裕紀ちゃん!カッコいい〜!」
サッカーでシュートを決めた時、周りから女子からの黄色い声、男子から褒める声。なんか照れくさく感じるこの空間。なんだか嬉しいような嫌なような…
私の名前は、影山 裕紀。小学6年生。私には普通の女子と違うところがある。
「このトップス可愛くな〜い?」
「うんうん!可愛い!」
女子はキャッキャッとファッション雑誌など、女子っぽいことばっかり話している。でも私は……
「おーい!裕紀〜!サッカーするぞ〜!」
「わかった〜!」
そう。ほとんど男子としか遊ばない。
あいつらは、私のことは異性とは思わず、同性のように遊びに誘ってくれる。こんな自分が一番大嫌いだ……