「美咲さん、高木さん、準備をお願いします」
「はい!」
スタッフの人に声をかけられて、私達は裏口に入る。
これからあの屋上でライブ。やっぱり緊張するけど……楽しみたい!
「上手くいったね!」
「ねー」
ワクワクしていると、私達の前の出番の人達が横を通り過ぎた。出番が終わったみたい。
……次は私達、か。
「……」
「……」
私となつきちゃんは、何も言わずに目を合わせる。
お互い、目指すものはただ一つ。年齢なんて、関係ない!
「……優勝、しよ」
「うんっ!」
なつきちゃんの言葉に、私は今までで一番大きな声で答えた。
スタッフの人はそんな私達を笑顔で見ていたけど、それからすぐに表情を険しくした。
……ああ、もうすぐなんだな。
その雰囲気に、言われなくても分かってしまう。
「じゃあ、カウントが終わったらステージへの階段を上がってください10、9、8、7――――――」
スタッフの人はカウントを始める。
緊張で身体が震えた。心臓の音がもっと大きくなった。
でも……そんなのには、負けない!
「―――――0!」
その合図で、私となつきちゃんは手を繋いで階段を駆け上がった。
……これから、私達のステージの始まりだ!