「酷い熱ねぇ・・・」大河内先生がそうつぶやく。
ここは保健室。美幸はどうやら、高熱を出していたみたいだ。
(そういえば、さっきの授業の時もいつもよりボーッとしてた・・・)
こんな高熱で、よく大声が出たものだ。
まだ美幸は眠っている。高熱で、倒れて意識が少しの間ないままの子は今までで何人かいたらしいから、大河内先生は慣れた手つきでベッドへ運び寝かせてくれたので、あとは起きるのを待つだけだ。
その時、廊下からバタバタと慌ただしい音が聞こえた。
ガラッ!
「美幸っ!大丈夫!?」
「衣梨奈!」私はつい、大声を出してしまった。
「2人とも、シーッ。今寝てるんだから、静かに。」
(起こすとこだった・・・)
そんなことより、衣梨奈は何で来たんだろう。
「衣梨奈は何でここに来たの?」起こすと行けないから、小声で話し掛ける。
「え、だって・・・いじめのグループを抜けたって、美幸は最低な人間だとしたって、美幸は、大切な友達だから。心配で・・・」
「私はもうー。衣梨奈のこと友達だなんて思ってないから」
「え?」
「美幸!」
美幸が目を覚ましていた!所で、「友達だなんて思ってないから」って、どういうことー・・・?
「どういうことって・・・分かんないの⁉あんたがグループやめていって、他のメンバーにどんだけ苦労かけたと思ってんのよ!
もしやめてなかったら、豊橋先生の件もあんたが説得してやらなかったはず。あんたには説得力もあるし、いっつも正論だし。
グループには欠かせなかった!もしあの時いれば・・・私は清花を殺してなんてなかったあああ!」
美幸はそのまま泣き崩れていった。衣梨奈は、目に涙を光らせながら保健室を出て行ったー。