「Hello!Yumeno!How are you?」
「Japanese please?」
「Sorry.I can't understand my word and language」
「じゃ、切りますね。さようなら」
「ちょちょちょ待ってよごめんってばぁ!」
パソコンの画面に移るのは、奏のお父さん。私は今スカイプで会話している。
奏のお父さんは世界的な名医で、『ゴッズハンド』、神の手を持つものとして有名。その為非常に大きな額を稼いでいるが、次のお金が入ってくる前に全て使い切ってしまうため生活はギリギリだったりする。何に使っているのかは知らないという設定にしておこう。本人がそう信じていると思ってるし。本当は奏のお母さん含め全員が知ってるけどね。
「それで? どうしたの夢乃ちゃんから僕に連絡くれるなんて。何かあった?」
今奏のお父さんはアメリカにいる。日本から飛び出して、世界の技術を学んでいるのだ。その才能は確かで、スポンジのように技術を吸収し、さらには画期的な技術や発明をしたことで世界では有名。日本は知らん。確かその時震災が起きてたような。
「実は……」
私は奏のお父さんに全てを話した。
「後数日だって!? そんなの無理だよ! 今から帰るとしても移動時間のせいで助からないかもしれないし設備だって。だから本当はこっちに来てもらいたいんだけどそれも難しいよね……」
「もし、そちらに着くことができたら、直せるんですか?」
「病状を聞く限り難しい手術になりそうだけど助からないことはない。でも費用が……夢乃ちゃん払えないもんね?」
「奏の写真なら沢山ありますよ」
「よし悠馬君をすぐにこっちに連れてきてくれ。費用は僕がすべて負担する。絶対に悠馬君を助けて見せよう。全力全霊全ての力を以て死力を尽くし、悠馬君を救おう。その代わり……」
「奏のスク水とかありますよ? それとこの前行ったお祭りの時の浴衣とか。後は私服姿しかないですけど」
「十分だ。これで取引成立、だね?」
「よろしくお願いします」
言うのを忘れてたけど、奏のお父さんは重度の親バカだ。いや親バカの範疇を超えていると思う。娘を溺愛してるけど、その文字通り娘への愛で溺れてるもん。絶対その卓越した技術で自分の頭を直した方が良いと思う。それか精神科医行った方が良い。勿論奏のお母さんは知っている。知らないのは奏くらいかな。
三行目『I can not understand except for my words and language.』が正しいな。ミスったわw