しばらく歩くと『つぼみの湯』と書かれた浴場についた。
(ザ・普通って感じね…)
扉を開け、中を見るとごく普通のお風呂だった。
寮内のように浴場も汚いのか?と思ったがそうでもなかったようだ。
大浴場を見た後、奏は部屋に戻り大の字になって寝そべった。
真っ白い天井が奏を見下ろしている。
「はー…やだなぁ…」
目を瞑り、これからのことを考える。
(ここはお盆・正月以外、外に出してもらえない。必要なものは学校側が用意してくれるらしいからね…)
ありがた迷惑にも程がある。
そんなことを考えていると、時計の針は5時を指していた。
(そろそろ他の寮生が帰ってくる頃ね…)
奏は悪名高き白峰学園の生徒がどんなものか、不安で心がいっぱいだった。