私立白峰学園高校へようこそ!

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5:桃子:2018/08/19(日) 23:39

不安という気持ちもあったが、[どういう人達なんだろう]という気持ちも湧いてきた。

「どんな人達なのかしら…こっそり見に行こっと」

奏は起き上がり部屋を出た。
1階の柱に隠れ、寮生が帰ってくるのを待った。
しばらくすると、2人の女子が入ってきた。

「もーまじだるーい。どーせ授業しないんだから教室行く意味なくね!?ずっと寮にいたいよー」
「ほんとそれ。男子はうるさいし…」
「てゆーかアイツさぁ……」

どうやら愚痴を言い合っているようだ。
愚痴のレベルが小学生のようで、吹き出しそうになる。

「栞さん、雅さん、なんですかその言葉遣いは」
「ゆ、百合子様…」

もう1人出てきた。2人の反応からして恐らくこの2人のボス的存在だろう。

「まったく…わたくし達は良家の子女なのですよ?回りに影響されてはいけません。そのように下品な言葉遣いはおやめなさい」

「申し訳ありません百合子様…」
「ですが辛くて辛くて…もう家に帰りたい…」

栞と呼ばれる女子は目に涙をいっぱ溜めて百合子を見た。
それを見た百合子は目を瞑り、

「栞さん、あと2年です。2年耐えれば解放されるのです。わたくし達は他の者共とは違います。気を強くお持ちなさい」
「……………はい!お心遣い感謝します、百合子様!!」

栞が笑顔で返事をした。
それを聞いた百合子と呼ばれる人物は少し微笑み、寮の奥へ去っていった。

「アイツまじうぜー。こっちがちょっと下手に出たら調子乗りやがって」
「『下品な言葉遣いは、おやめなさぁ〜い』」

雅と呼ばれる少女が百合子の物真似をする。明らかにバカにしている。

「ぷくく、似てる〜。なんなのあいつのしゃべり方」
「エセお嬢様って感じ。ていうか盗み聞きとかきもくなーい?」

2人は百合子の悪口を言いながら寮の奥へ去っていった。

(うわぁ…今の見ると普通に頭悪い女子高生って感じ…)

奏は白峰学園の生徒はこんなのかと、少しびっくりした。
(もっとヤバそうな人達だと思ったのに…)

続々と帰ってくる寮生は、普通の子達だった。

(ま、問題児って言っても、所詮高校生だもんね…)
奏は寮生を見るのに飽きたので、見つからないよう、ひっそりと部屋へ戻った。


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