第二話 NAMEWORLD
『全員の生存を確認しました』
『これより、ルールの説明をします。』
「ルール…?」
「もう何が何だか分からないんだが…」
『ルールは一つ、【ある言葉】を言ってはいけない。これだけです』
「ある言葉?何だそれは」
『それは私も言ってはいけないルールなのでご自分で見つけて下さい。』
「凄いタイミングが良いわね」
「こっちの声盗聴してるんじゃないのか?」
「…嫌ね」
放送は、さっきの言葉を最後に終わってしまった。
「ある言葉を言ってはいけない、か」
「問題は、そのある言葉が何か、よね」
「……」
沈黙が続く。
まず、ここは本当に何処?
ある言葉とは何?
ルールを破るとどうなる?
というか、立戸野アキカとは誰なの?
そんなことが頭をよぎる。
その時だった。
「なぁ、ユリ。とりあえずお互いの事を話さないか?」
「…はぁ?」
「いやだって、俺たちお互いの事名前以外何も知らないじゃないか」
「えぇ、そうだけど?」
「この先、何が起こるか分からない。だから、お互いの事を知って損は無いだろう。」
「…そう」
こうして、私たちはお互いに自分の事を話した。