見えない花と輝く花。作者:すぴか

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8:すぴか☆ミキサラギ◆y2:2019/02/01(金) 09:05

【第2章】

昇降口には、新品の真っ黒な制服を着た一年生でこみ合っていた。なるべく邪魔にならないように
なんとかクラス分け表を確認できた。1年B組だ。

「あ、○○ちゃん!そよ高でもよろしく〜」

「もちろん!クラス一緒に見に行こ!」

耳に入ってくるそんな会話が羨ましい、と思いながら1年B組へ向かう。

ガラッと扉を開ける。想像したより静かだった。まだグループができていないからか。

(えっと、自分の席は…)

黒板に貼ってある座席表から『彩崎』を探す。

(青木って人の後ろか。)

中学でも毎年、出席番号は1番か2番だ。
席がの方になることくらい予想済み。

(…前、男子か。)

席に着き、青木という知らない男子の、自分より大きい背中を見て小さくため息をつく。

(私は、男子が苦手だ。)

その理由は、………

―――――――――――――――――――――――――――

中学のころは女子校に通っていた。
高校もそのままその学校に通おうと思っていたのだが、親の転勤のせいで受験し、少し遠めの学校に通わざるを得なかった。

女子校をもちろん受けたが、落ちてしまった。
なのでOGである母親の高校を受け、そよ風学園に通うことになったのだ。

そんなこんなしている間に、ホームルームが始まっていた。

担任の先生は前田先生という若い女の人だった。髪を後ろで一つにきっちりとまとめている。
前田先生が軽く話をしたあと、出席番号順でならんで体育館に向かった。

これから入学式。私たち一年生がするのは校長先生の話をおとなしく聞き、うろ覚えの校歌を歌うだけだ。

出席番号が若い私にとって辛いのは、真ん前にステージがあるので正直つまらないことだ。
そしてぼーっとしていると、起立するのが遅れ、後ろの人に少し笑われた。恥ずかしい。

そして何事もなく入学式は終わった。
これから教室に戻って自己紹介だっけ。
自己紹介で第一印象がつくといっても過言ではない。上手くできるか不安だ。

「彩崎 奈月です。中学は女子校で手芸部でした。あと、猫を飼ってます。よろしくお願いします」

なんとか当たり障りのない自己紹介ができたと思う。
しっかりと礼をして、パチパチと拍手をもらえた。

3番、4番と自己紹介はどんどん続いていく。

(あ、隣の席の子だ)

隣の席に座っていた女の子が立ち上がる。
揺れるツインテールが彼女にすごく似合っている。

「佐野 千依麻です!中学ではさのちーって呼ばれてて、部活はバレー部でした!よろしくお願いします!」

その子…佐野さんがパッと笑顔になる。元気でいい子そうだ。

(隣の席だし、友達になれたらいいな…。)


すぴか☆ミキサラギ◆y2:2019/02/02(土) 09:16 [返信]

>>8
「その理由は、………」
の意味は、あとで明かされる的な感じです…
紛らわしくてごめんなさい


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