「そーなんだ〜」
何か彩芽ちゃん、緩い感じだな…
「アリス、面白いよね!特にその文庫版の奴は、挿し絵が凄く可愛いし」
彩芽ちゃん、ポカーンとしてる…
私、また本の事だからって夢中になって…
「ウチも同じ事考えてた〜挿し絵可愛いよね。むしろ、挿し絵目的で買った本だし」
―挿し絵目的ね。よくあるよなぁ、挿し絵目的。
「この本の挿し絵、有名なイラストレーターが描いてるらしいよ?」
私は親に携帯を借りて、検索した事を彩芽ちゃんに伝える。
「そうなんだ、物知りだね、麗愛ちゃん」
―おお…名前で呼んでくれた!
「あ、彩芽ちゃん!もし良かったら、私と仲良くしてくれる?」
言っちゃった。つい、勢いに任せて。
顔が赤くなるのが分かる。つい、眼を瞑ってしまう。
「いいよ、よろしく〜麗愛ちゃん」