──翌日。
「裏を暴くって……どうすれば……」
窓側の後ろから2番目、自席に着席しながら頬杖をついていると、ふと良い香りが鼻を掠めた。
これは──お菓子の匂いか……!?
「おはよう、夏城さん」
香りの正体は沢山の焼き菓子を抱えた秋山さんだった。
クッキー、マフィン、カヌレ、マドレーヌetc……。
恐らく女子からのプレゼントだろう。
「お、おはよ〜……今日もすごいね」
「サッカー部のマネージャーさんから、助っ人のお礼にって貰ったんだ。みんなお菓子作りが上手なんだね」
ほわぁ〜。
ほんとに天使みたいな微笑みだ〜!
今にも頭上に輪っかが見えそうなくらい神々しい。
やっぱこんな人に裏があるなんてありえないよ!