朝から降っていた雨が急に強くなった。そのためか、駅に人が沢山雪崩込んでくる。その中の誰一人として私に気付かず雨宿りを始める。見えてないんだから、当たり前だと思った。
どうしてこんなことにならなきゃいけなかったんだろう。どうして “こんなこと” になってもここにとどまっているのだろう。一向にわからないまま、私はそこに居続けた。
何時間後かに、雨が止んだ。雨宿りを終えた人々に交ざり、私も駅を出る。
道路に、自分の顔が見えた。きっと水溜まりに映ったのだろう。
それを見た私は、なんのために自分がここにとどまっているのかわかった様な気がした。