―大丈夫。あたしは独りでも大丈夫――。
いつも自分にそう言い聞かせていた。
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ジリリリリ、と目覚しの音が鳴り、あたしは起きる。
「んん…」何だか身体が重い。―しっかりしなきゃ。
あたしは独り暮らしなんだから。頼る人はいないんだから。
今日の朝ごはんはコンビニで買ったパン。
いつもはちゃんと作るんだけど、今日は少し楽したい。
ピンポーン。
玄関のインターホンが鳴る。誰だ――?
学校に一緒に行く相手はいない。宅配便?
不信感MAXでドアを開ける。
「こんにちはー、smile factoryです!にこちゃんに笑顔と幸せ、届けに来ました♪」
―は?誰、この子。新手の詐欺?
と、いうか怪しさ半端ない。
「大丈夫、間に合ってます―」そう言ってドアを閉めようと
するが。
「私には分かります、にこちゃんが寂しいってこと―」
え?何言ってんの?